タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
論文種別 その他
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 加齢黄斑変性診断基準による前駆病変を認める症例の眼底所見の変化
掲載誌名 正式名:厚生労働省難治性疾患克服研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 平成24年度統括・分担研究報告書
巻・号・頁 57-59
著者・共著者 永井由巳, 有澤章子, 髙橋寛二
発行年月 2013/06
概要 目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)を発症した症例の対側眼に前駆病変を認める症例について、経過観察中の眼底所見の変化についてカルテベースで後ろ向きに検討した。
【対象と方法】関西医科大学附属枚方病院において過去3年間以上、AMDと診断を受け経過観察されていた連続症例127例を対象とした。経過観察時におけるAMD発症の対側眼の眼底所見において、加齢黄斑変性診断基準で定義された前駆病変の有無を確認し、経時的な眼底所見の変化、AMDの発症につき評価した。
【結果】127例の平均観察期間は54か月(36か月~58か月)、症例の内訳は、典型AMD93例、ポリープ状脈絡膜血管症25例、網膜血管腫状増殖(RAP)9例であった。初診時記録で対側眼に軟性ドルーゼンを認めた症例は58眼(45.7%)で、網膜色素上皮異常(色素脱失、色素沈着、小型の漿液性網膜色素上皮剥離)を認めた症例は39眼(30.7%)、両者を認めていた症例は29眼(22.8%)であった。RAPの症例では全例で対側眼に軟性ドルーゼンを認めていた。経過観察中に新たに脈絡膜新生血管(CNV)を発症した症例は7眼(対象全症例の5%、前駆病変を認めていた症例の10.3%)で、全て初回観察時に前駆病変を認めており、その内訳は軟性ドルーゼンが3眼(42%)、漿液性網膜色素上皮剥離が3眼(42%)、その他の網膜色素上皮が1眼(16%)であった。
【考察と結論】AMD発症例の発症対側眼に前駆症例がある症例では、前駆病変のない症例と比べCNVの発生しやすいことが裏付けられた。当科で2000年に報告したSecond Eye Study (Uyama. et. al. BJO ; 84 : 1018-1023,2000)と比べて軟性ドルーゼンからCNVを生じた症例が増加していた。