オツジ ツヨシ   OTSUJI TSUYOSHI
  尾辻 剛
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 滲出型加齢黄斑変性に対するranibizumab硝子体内投与の12か月後成績
会議名 厚生労働省 難治性疾患克服研究事業 網脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 平成22年度班会議
発表者・共同発表者◎永井由巳, 尾辻剛, 有澤章子, 正健一郎, 西川 真生, 平本裕盛, 津村 晶子, 津田メイ, 長央由里子, 久保木香織, 髙橋寛二
発表年月日 2011/01
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対するranibizumab硝子体内投与の12か月後の成績を検討した。
【対象と方法】対象は平成21年4月から平成21年11月までに関西医科大学附属枚方病院、附属滝井病院でranibizumab(0.5mg/0.05ml)を1か月毎に連続3回硝子体内投与(導入期)し、初回投与から12か月後までを観察できたAMD80例81眼である。これらに導入期に光線力学的療法(PDT)を含む他の治療を併用した症例は含まれていない。平均年齢は74.1歳(56~92歳)で、男性66例女性14例であった。病型の内訳は、Typical AMD65例66眼、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)15例15眼であった。Typical AMDにおけるCNV subtypeは、predominantly classic CNV (pred)が31例31眼、minimally classic CNV(mini)が5例5眼、occult with no classic CNV(occult)が29例30眼であった。初回投与時をベースラインとして、12か月後の治療成績を検討した。
【結果】Typical AMDの初回投与時の平均小数視力は0.22で、12か月後の平均小数視力は0.17であった。CNV subtype別の平均小数視力は、predは初回治療時が0.16で12か月後0.17、miniは初回治療時が0.14で12か月後0.12、occultは初回治療時が0.32で12か月後は0.18とoccultが悪い結果を示した。PCVは初回治療時0.18で、12か月後は0.18であった。視力の変化はAMDで改善14%、不変62%、PCVでは改善13%、不変61%、OCTでみた滲出性所見の変化はAMDで改善72%、PCVで67%であった。
【結論】AMDに対するranibizumab硝子体内投与は、視力の改善、維持効果を認める有効な治療法であると思われたが、CNVのsubtypeによって投与の方法については今後も検討が必要であると思われた。