オツジ ツヨシ
OTSUJI TSUYOSHI 尾辻 剛 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 准教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 内境界膜下血腫除去後に黄斑円孔を確認した網膜細動脈瘤の2例 |
会議名 | 第66回日本臨床眼科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎松岡雅人, 尾辻剛, 西村哲哉 |
発表年月日 | 2012/10 |
開催地 (都市, 国名) |
京都 |
概要 | 【緒言】
網膜細動脈瘤が破裂し、血腫が黄斑部に及ぶと急激な視力低下をきたす。このような症例では早期に硝子体手術が有用とされているが、中心窩下に血腫が存在する場合は術後視力の不良例が多い。今回、内境界膜血腫除去後に中心窩下血腫と黄斑円孔を認めたが、術後視力が良好であった網膜細動脈瘤の2例を経験したので報告する。 【症例】 症例1: 79歳女性。平成23年5月に突然の右眼視力低下を自覚。近医で黄斑出血を指摘され、当院紹介。発症より2週間後に硝子体手術にて内境界膜剥離と内境界膜下血腫除去を行った。術中に黄斑円孔と中心窩下血腫を認めたため、ガスタンポナーデを併用した。退院時には円孔は閉鎖しており、術後10か月の矯正視力0.8であった。 症例2: 89歳女性。平成23年6月に突然の右眼視力低下を自覚。近医で黄斑出血指摘され、当院紹介。発症より6日目に硝子体手術にて内境界膜剥離と内境界膜下血腫除去を行った。術中に中心窩下血腫を、また術翌日に黄斑円孔を認めたが、退院時には円孔は閉鎖していた。術後10か月の矯正視力0.5であった。 【考察】 両症例共に中心窩下に血腫を認めたが、比較的早期に手術を施行できたこと、また黄斑円孔が生じたため中心窩下血腫が早期に拡散したこと、黄斑円孔が早期に閉鎖したことが、術後視力が良好となった原因と考えられる。 【結語】 網膜細動脈瘤破裂による内境界膜下血腫が黄斑部に及ぶ場合、早期の硝子体手術が有効である。 |