オツジ ツヨシ   OTSUJI TSUYOSHI
  尾辻 剛
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 網膜上膜が自然剥離した1例
会議名 第66回日本臨床眼科学会
発表者・共同発表者◎南野真理, 南野桂三, 武田信彦, 小池直子, 三間由美子, 尾辻剛, 西村哲哉
発表年月日 2012/10
開催地
(都市, 国名)
京都
概要 【目的】網膜上膜(ERM)が自然剥離した症例を経験したので報告する。【症例】31歳男性。数日前から左眼視力低下及び変視症を自覚し、近医にて左眼眼底に異常を指摘され関西医科大学附属滝井病院を紹介受診となった。初診時視力は、右眼矯正1.0、左眼矯正0.4、前眼部および中間透光体に異常はなかった。左眼眼底の黄斑部には、浮腫及び網膜皺襞と不透明なERM、黄斑鼻側にはERMの輪状収縮を認めた。後部硝子体は未剥離の状態であった。3日後、光干渉断層計(OCT)にて中心窩網膜の肥厚、中心窩下の網膜剥離および網膜表層の不整を認め、ERMの収縮による網膜への影響または硝子体黄斑牽引症候群の関与が示唆された。1週間後、眼底検査でERMが一部を残し自然剥離した事を確認した。1か月後の眼底検査では、Weiss ringを伴った後部硝子体剥離と同時にERMの自然剥離を認め、左眼矯正視力1.2に改善した。2か月後、OCTにて中心窩陥凹の形成を認め、網膜表層の不整は改善した。【結語】ERMには後部硝子体剥離の進行に伴って黄斑部への牽引の変化が生じた時に、急な自覚症状が出現し、短期間で自然剥離する症例が存在する。