オツジ ツヨシ   OTSUJI TSUYOSHI
  尾辻 剛
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 加齢黄斑変性に対するラニビズマブ治療におけるタキフィラキシー例の検討
会議名 厚生労働省難治性疾患克服研究事業 網脈絡膜視神経萎縮症調査研究班 平成24年度班会議
発表者・共同発表者◎小池直子, 尾辻剛, 正健一郎, 津村晶子, 津田メイ, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2013/01
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対するラニビズマブ硝子体内投与(IVR)を行った症例の中に、導入期には一定の効果があるが治療の反復により効果が減弱する症例(いわゆるタキフィラキシー例)がある。これらについて後ろ向きに検討した。
【対象】平成21年4月から平成23年6月までに関西医科大学附属滝井病院においてAMDに対しIVR単独治療の1か月ごと連続3回投与(導入期治療)を終え、その後1年以上経過観察できた141例142眼を対象とした。導入期終了時の視力が改善または光干渉断層計(OCT)で中心窩網膜厚(CRT)の減少率が10%以上の症例のうち、6回目以降のIVR前後で視力が不変または悪化し、かつOCTでCRTの減少率が10%未満の症例をタキフィラキシー例と定義した。OCTにて滲出が明らかに減少したと判断した症例は除外した。logMAR視力で0.3以上の変化を改善、悪化と判定した。
【結果】タキフィラキシー例は全142眼中4.2%にあたる6例6眼にみられ、平均年齢は74歳であった。治療前の病変サイズは平均4584.8μmであり他の症例と比較して有意差はなかった。病型は全例典型AMDで、病変タイプはoccult with no classic CNVが4眼、predominantly classic CNVが2眼であり他の症例と有意差はなかった。追加治療として6眼中2眼でPDT、1眼でペガプタニブの投与を行い、PDTを行った2眼では滲出は停止した。
【結論】全例典型AMDであったことを除き、タキフィラキシー例に共通した特徴はなかった。今後、タキフィラキシーの機序と追加治療の方法については検討を要する。