タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル Bevacizumab投与後の血中VEGF濃度
会議名 厚生労働省難治性疾患克服研究事業、網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班、平成20年度班会議
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎松山加耶子, 緒方奈保子, 和田光正, 松岡雅人, 高橋 寛二, 西村哲哉
発表年月日 2009/01
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 目的】近年血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の抗体bevacizumabが、眼内血管新生の治療に試みられている。Bevacizumabを硝子体内投与すると硝子体内VEGF濃度が低下するが、全身への影響は少ないと考えられている。しかし、ヒトにおいて投与前後の血中濃度を調べた報告はない。今回、bevacizumab硝子体内投与をうけた症例で投与前後の血中VEGF濃度を検討した。
【対象と方法】当院倫理委員会の承認を得ておこなった。患者の同意が得られ、投与前後に採血できた症例12例12眼(年齢41-79歳、平均59.4歳)。Bevacizumab (1.25mg/0.05ml)を硝子体内に1回投与した糖尿病網膜症患者。Bevacizumab投与前、投与後1日、1週間および1ヶ月に採血を行い、血中VEGF濃度をELISA法で測定した。
【結果】血中VEGF濃度は投与前76.84±14.12(平均±SE)pg/ml (n=12)、投与後1日14.10±6.22pg/ml (n=9)、1週後11.52±2.41pg/ml (n=10)、1ヶ月後25.38±7.03 pg/ml (n=11) と投与前に比較し、血中VEGF濃度は有意に低下していた(P<0.01, P<0.01, P<0.05)。
【結論】Bevacizumab硝子体内1回投与後、血中VEGF濃度は著明に低下しており、硝子体内に投与したbevacizumabは全身の血液中にも移行している可能性があり、繰り返しての投与には注意を要するとおもわれた。