タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 早発型発達緑内障の兄妹発症例
会議名 第20回日本緑内障学会
学会区分 全国規模の学会
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎加賀郁子, 南部裕之, 田中春花, 二階堂潤, 西川真生, 城信雄, 髙橋寛二, 安藤彰, 松村美代
発表年月日 2009/11
開催地
(都市, 国名)
沖縄
概要 【目的】早発型発達緑内障は先天的隅角形成異常に起因する疾患で孤発例での報告がほとんどだが、約10%が常染色体劣性遺伝であると言われている。今回、兄妹発症の早発緑内障の症例を経験したので報告する
【症例】症例1:2007年7月出生の男児。生後1日に両眼角膜混濁を指摘され、関西医大滝井病院を初診された。眼圧は両眼とも20mmHg、角膜径は両眼11mm、角膜上皮浮腫がみられた。視神経乳頭陥凹拡大はみられなかったが眼圧値と角膜所見より早発型発達緑内障と診断し全身麻酔下で両眼線維柱帯切開術(LOT)を施行。術後、眼圧は速やかに下降したが、角膜混濁は術後2か月まで残存した。5歳時に再度両眼のLOTを施行し、7歳の現在、ラタノプロスト点眼を併用し両眼とも16mmHgである。症例2:2008年6月出生の女児で症例1の妹。生後6日に右眼角膜混濁を認め当院を初診された。眼圧は右22 mmHg、左16mmHg、角膜混濁、視神経乳頭陥凹拡大を認め、早発型発達緑内障と診断し全身麻酔下で両眼LOTを施行。術後、眼圧は速やかに下降したが角膜混濁は術後1.5か月まで残存した。1歳の現在、眼圧は右15mmHg、左20mmHgで左眼のLOTを予定している。なお緑内障の家族歴はなかった。【考察】早発型発達緑内障の同胞発症の報告は、本邦では兄が発達緑内障であった症例の術後成績の報告があるのみである。第一子が早発型発達緑内障であった場合第二子が緑内障になる確率は3%との報告もあり、稀なケースと考えられるが遺伝相談を受けた場合は同胞発症があることも念頭におく必要がある。