タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 光干渉断層計による原田病の脈絡膜所見
会議名 NOW2009(第26回日本眼循環学会・第48回日本網膜硝子体学会)
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎井上千鶴, 有澤章子, 山田晴彦, 二階堂潤, 高橋寛二
発表年月日 2009/12
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】原田病の急性期所見として、インドシアニングリーン蛍光眼底造影では早期の脈絡膜循環の充盈遅延と中大血管の不明瞭化、中期以降の斑状低蛍光が特徴とされる。今回、光干渉断層計(OCT)による原田病の脈絡膜所見を検討した。【対象と方法】2006年4月から2009年5月までに当院を受診し、急性期にOCTを施行した原田病16例32眼(男性7例、女性9例、平均年齢42.5歳)。脈絡膜中大血管の反射が明瞭に得られるか否かによって脈絡膜反射の減弱・欠損を判定し、治療前後で脈絡膜反射の変化を検討した。【結果】治療開始前の急性期では32眼中29眼(91%)に脈絡膜反射の減弱・欠損を、12眼(38%)に脈絡膜ひだを認めた。治療としてステロイドパルス療法14例(88%)、ステロイド内服1例(6%)、トリアムシノロンのテノン嚢下注射1例(6%)に施行。治療開始後1カ月以内のOCT所見が観察できた24眼中14眼では脈絡膜反射の減弱・欠損は消失し、治療開始後4か月、9か月の慢性期の所見が観察できた2例では脈絡膜血管の反射が明瞭に見られた。【考察】原田病では、脈絡膜にびまん性肉芽腫と呼ばれる類上皮細胞、リンパ球の強い浸潤を来す。原田病急性期のOCT所見は、このような炎症細胞が脈絡膜表層まで浸潤することによると思われた。【結論】原田病急性期におけるOCTでの脈絡膜反射の減弱・欠損所見は診断根拠のひとつになるとともに、脈絡膜における炎症をあらわす指標となりうる可能性がある。