タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 網膜血管腫状増殖に対するranibizumab併用トリプル療法の早期反応
会議名 NOW2009(第26回日本眼循環学会・第48回日本網膜硝子体学会)
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎有澤章子, 永井由巳, 西川真生, 長央由里子, 久保木香織, 髙橋寛二
発表年月日 2009/12
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】網膜血管腫状増殖(RAP)は難治性滲出型加齢黄斑変性の特殊型である。 抗VEGF抗体であるranibizumab硝子体注射、メチルプレドニゾロン酢酸エステル(MP)テノン嚢下注射、光線力学的療法(PDT)を併用したトリプル療法をRAP症例に施行し、早期反応を観察できたので報告する。
【症例】症例1は86歳女性。左眼矯正視力0.2。左眼底には癒合性軟性ドルーゼンと漿液性色素上皮剥離(PED)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、網膜表層出血がみられ、インドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA)で黄斑部に網膜血管と連続する新生血管を認めた。光干渉断層計(OCT)では強いCMEを伴うPEDを認め、網膜色素上皮(RPE)の一部断裂と瘤状隆起を認めた。RAP stage2と診断し、治療としてPDTを施行、同日無灯火顕微鏡下にてranibizumab 0.5mg硝子体注射、MP10mgテノン嚢下注射を行った。その後、追加治療として1か月後、2か月後にranibizumab投与を行った。症例2は71歳女性。左眼矯正視力0.15。症例1と同様の眼底、IA、OCT所見を認め、RAP stage2と診断。症例1同様、3種同日トリプル療法と1,2か月後の追加治療を行った。
【結果】治療1か月後、症例1では視力0.5と改善、症例2では0.2と改善傾向を認め、3か月後まで維持していた。OCTでは両症例とも1か月後にPED・CMEは完全消失し、中心窩陥凹が回復。3か月後にも滲出性変化の再発は認めず、IAでは新生血管は完全消失していた。
【結論】RAPに対するranibizumab併用トリプル療法では治療1か月後の早期に著明な解剖学的改善がみられ、追加投与によりそれを維持することによって視力改善・維持が得られる可能性があると考えられた。