タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 教育セミナー:加齢黄斑変性の治療-治療方法の選択-
会議名 第33回日本眼科手術学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
発表者・共同発表者◎髙橋寛二
発表年月日 2010/01
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 教育セミナー(抄録)
現在行われている滲出型加齢黄斑変性の治療には、レーザー光凝固、光線力学的療法(PDT)、抗血管内皮増殖因子薬(抗VEGF薬:マクジェンTM、ルセンティスTM)があるが、治療方法の選択にあたっては、脈絡膜新生血管(CNV)の位置、病型・病変タイプ、治療前視力、病変サイズ、全身的背景など、さまざまな因子を考える必要がある。
①CNVの位置:中心窩外CNVの一部にはレーザー光凝固の適応があり、傍中心窩、中心窩下CNVにはPDTまたは抗VEGF薬が行われる。②病型・病変タイプ:狭義AMD、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、網膜血管腫状増殖(RAP)の病型分類では、網膜下を病変の場とする狭義AMDの2型CNVには抗VEGF薬、1型CNVやPCVを主とする網膜色素上皮下病変にはPDT、両者が併存する場合や単独治療抵抗例には抗VEGF薬+PDT併用療法、非常に難治性の高いRAPには抗VEGF薬+PDT+ステロイド薬の3種併用療法を行う。③治療前視力:視力0.6以上の視力良好例にはPDTは治療後の視力低下のため行い難いが、抗VEGF薬は視力良好例にも使用可能である。④病変サイズ:PDTにはレーザー照射範囲の限界があるが、抗VEGF薬はより大きい病変に対しても使用可能である。⑤全身的背景:脳梗塞の既往の有無によって薬剤を選択する。以上のようなさまざまな因子による加齢黄斑変性の治療法の選択方法について述べる。