タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 硝子体細胞診で腺癌細胞を検出した仮面症候群の一例
ショートタイトル 腺癌細胞と仮面症候群
会議名 第64回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎松岡雅人, 緒方奈保子, 髙橋寛二, 足立靖, 木下勇一, 西村哲哉
発表年月日 2010/11
開催地
(都市, 国名)
神戸
概要 【目的】
硝子体細胞診にて腺癌細胞を検出した仮面症候群の一例の報告
【対象と方法】
症例は65歳女性。右眼飛蚊症で当院受診。初診時、前眼部に炎症はなく、右眼に硝子体混濁を認めた。2年前に大腸癌とその肝転移の既往があり、眼科初診時は化学療法にて寛解状態であった。血液検査では異常なく、腫瘍マーカーも正常。ステロイド点眼で経過観察するも硝子体混濁は徐々に増悪したため、ステロイドテノン嚢下投与やステロイド内服薬を投与するも効果認めず、初診後4か月には左眼にも硝子体混濁が出現、視力も低下したため、両眼の硝子体手術を施行し、混濁硝子体を切除採取した。
【結果】
右眼の術中、塊状硝子体混濁認めるも、虹彩や網膜などに隆起性病変は認めず、網膜に滲出病巣、血管炎を認めなかった。硝子体細胞診では、核小体が明瞭な紡錘形の核偏在性異型細胞がみられ、細胞集塊では腺様配列を示しており、大腸癌の眼内転移が疑われた。9日後に左眼の硝子体手術施行、採取した硝子体から右眼と同様の細胞集塊が検出された。硝子体液の腫瘍マーカーは陰性であった。中枢神経系への転移の可能性も考え、頭部MRI検査するも異常はなかった。術後、視力は回復し、硝子体混濁の再発は認めていない。
【結論】
大腸癌の硝子体内転移による仮面症候群の一例を経験した。診断には硝子体細胞診が有用であった。