タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 涙腺生検を行ったIgG4関連慢性硬化性涙腺炎(Mikulicz病) の1例
会議名 第64回臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎千原智之, 城信雄, 永井由巳, 髙橋寛二

発表年月日 2010/11
開催地
(都市, 国名)
神戸
概要 【緒言】
1892年にJohann Mikuliczが涙腺と唾液腺の対称性腫脹のある症例を報告。1953年にはMikulicz病はSjogren症候群の一亜型に過ぎないとされたが、近年本邦を中心にMikulicz病はIgG4関連多臓器疾患に属する病態と考えられ、Sjogren症候群とは異なる疾患とし注目されている。 今回、両側の涙腺腫脹を認め、生検にてMikulicz病と診断された症例を報告する。
【症例】
70歳、女性。両側上眼瞼腫脹、唾液分泌低下を主訴に受診。
初診時に両上眼瞼耳側に弾性硬の腫瘤を認め、同時に両側顎下腺の腫脹も認めた。
その他前眼部、中間透光体、眼底に異常所見を認めず、採血にて血清IgG4=588mg/dlと高値。涙腺組織の生検を施行し、特殊免疫染色にて組織にIgG4陽性形質細胞が多数浸潤している像を認めた。ステロイド内服加療にて両側涙腺腫脹は顕著な改善を認めた。
経過観察を継続しているが、IgG4関連多臓器疾患の他の症状は現在出現せず、その後も涙腺腫脹等の再発は認めていない。
【結論】
Mikulicz病と考えられる症例を経験した。これまで、急性・慢性涙腺炎と診断された症例の中にも、同様の疾患が混在していた可能性が示唆される。今後、新たな疾患概念として同様の症例に対し本疾患の鑑別を要する。