タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル ヒトヘルペスウイルス6型が陽性であったぶどう膜炎の1例
ショートタイトル:HHV6陽性のぶどう膜炎
会議名 スリーサム イン・新宿
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎小池直子, 緒方奈保子, 吉川匡宣, 南野桂三, 西村哲哉, 高橋寛二


発表年月日 2010/07
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 [緒言]原因不明のぶどう膜炎と診断され、前房水PCRでヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)が検出された稀な症例を経験したので報告する。
[症例]63歳男性。左眼視野狭窄と視力低下を主訴に近医を受診。視力は矯正1.2で、視神経乳頭発赤、腫脹を認めた。1週間後、当科初診時左眼視力は矯正0.2で角膜後面沈着物、前房内に少数の炎症細胞、硝子体混濁、視神経乳頭腫脹、網膜動脈白鞘化、綿花様白斑の散在を認めた。右眼には異常所見は認めなかった。ぶどう膜炎と診断し、原因検索とともにステロイド大量点滴療法を施行した。治療開始翌日から、乳頭腫脹は著明に軽快し前眼部の炎症所見、硝子体混濁は改善し、綿花様白斑も消失した。その後治療開始3日目に採取した前房水PCRの結果HHV-6陽性であることが判明した。さらに治療開始1か月後に施行した血液検査の結果、HHV-6 IgG抗体の上昇を認めた。最終視力は0.4で乳頭腫脹は消失し炎症の再発は認めていない。
[考察]ヘルペス網膜炎に関与するHHVとしてはHHV-3(varicella-zoster virus; VZV)が多いとされており、突発性発疹の原因ウイルスであるHHV-6の眼疾患との関連については過去に2報のみである。
[結論]ぶどう膜炎の原因としてHHV-6も考える必要がある。