タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 小胞体ストレスとtight junction
会議名 第15回 眼科分子生物学研究会
学会区分 研究会
発表者・共同発表者◎吉川匡宣, 緒方奈保子, 髙橋寛二
発表年月日 2011/01
開催地
(都市, 国名)
宮崎
概要 【目的】ERストレスは炎症性サイトカインの発現を増強し、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性発生の一因であるとされている。網膜色素上皮(RPE)の機能は糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の病態に関与する。そこでRPEにERストレスを負荷した時のtight junctionの変化を検討した。
【方法】ヒト網膜色素上皮細胞(ARPE19)にTunicamycin(TM:1μg/ml)、Thapsigargin(TG:1μM)をそれぞれ添加した。6、12、24、48時間後にGRP78/BipおよびC/EBP-homologous protein(CHOP)、zonula occludens(ZO)-1、occludin、claudin-1、さらに血管内皮増殖因子(VEGF)の発現をreal time PCRで検討した。また48時間後にwestern blotおよび免疫染色を用いて、ZO-1、occludin、claudin-1の発現を検討した。さらにERストレス負荷後0日から9日まで1日毎に経上皮電気抵抗測定(Transepithelial electorical resistance:TER)を行い透過性の変化も検討した。
【結果】real time PCRで6時間後よりGRP78/BipおよびCHOPの発現が増加、24時間後よりVEGFの発現が増加した。real time PCR、western blot、免疫染色いずれにおいてもZO-1、occludin、claudin-1の発現が増加した。TERはコントロールと比較して2日目に抵抗値が上昇し、9日目には低下した。
【結論】ERストレスによってRPEのtight junctionに変化が生じていた。ERストレスでRPEの機能が変化し、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の病態に関与することが推測された。