タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル インフリキシマブ投与時反応による治療中止後も寛解維持できたベーチェット病の1例
会議名 スリーサム2011京都
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小池直子, 尾辻剛, 伊藤量基, 木本高志, 三間由美子, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2011/07
開催地
(都市, 国名)
京都
概要 目的:ベーチェット病に対する新しい治療として抗TNFα抗体であるインフリキシマブの全身投与が行われている。市販後調査の中間報告では、インフリキシマブ投与により約9.5%にアレルギーによる投与時反応がおこるとされているが、投与時反応によって投与が中止された例は報告されていない。今回、反復する投与時反応のためインフリキシマブ治療が中止された後、約1年にわたって寛解維持できている症例を経験したので報告する。
症例:35歳男性。右眼矯正視力0.03。前医にて虹彩毛様体炎に対しステロイド内服とトリアムシノロンテノン嚢下注射を行い消炎した。その後ベーチェット病との診断でコルヒチン内服を開始したにも関わらず2か月後に再燃し当科を受診した。既存の治療でベーチェット病の発作が抑えられないため、診断確定後5か月でインフリキシマブ投与を開始した。導入1か月後には消炎しその後発作はなかった。導入12か月後、投与時に全身に蕁麻疹が発現しその後もステロイドを併用しても投与時反応を繰り返すためインフリキシマブ投与を中止した。中止後約1年経過しても発作の再燃は認めず、現在、矯正視力は0.7であり、前房及び眼底に炎症は認めていない。
考察と結論:本症例はインフリキシマブ導入時期が早く、導入前発作回数も2回と少なかった。導入後には発作がなく、本症例のように安定した症例ではインフリキシマブが中止可能であることが示唆された。