タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 網膜血管腫状増殖に対するPDTトリプル療法の1 年成績
会議名 第65回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎有澤章子, 永井由巳, 西川真生, 平本裕盛, 長央由里子, 久保木香織, 髙橋寛二
発表年月日 2011/10
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】抗VEGF 抗体ranibizumab、ステロイド薬(メチルプレドニゾロン酢酸エステル:MP又はトリアムシノロンアセトニド:TA)、光線力学的療法(PDT) の3 種併用療法(PDT トリプル療法) を施行した網膜血管腫状増殖(RAP) 症例の1 年成績を検討する。
【対象と方法】対象は初回治療から1 年経過をおえたRAP 症例5 例6 眼(平均年齢81.2 歳、男性2 例、女性3 例)。初回治療にPDT とranibizumab 硝子体内注射(IVR) 、MP 又はTA テノン嚢下注射を同日施行した後、IVR を2 回追加し、これを導入期とした。維持期は1 か月毎に視力、光干渉断層計で評価し、初回治療から3 か月後にフルオレセインおよびインドシアニングリーン蛍光眼底造影で評価した。
【結果】平均小数視力は治療前0.27、3 か月後0.37、1 年後0.38 であり、視力変化は改善2眼、維持4 眼、悪化0 眼で、全眼で視力維持が可能であった。すべての症例で初回治療1 か月後には滲出性変化は著明に軽快し、中心窩陥凹が回復していた。初回治療3 か月後の蛍光眼底造影ではRAP 病巣は描出されなかった。1 年後までに再発を認めたものは4 眼(7 か月・8 か月・11 か月・1 年後、平均9.5 か月) あり、6 か月以内に再発したものはなかった。再治療は11 カ月後再発した1 眼にIVR を1 回追加し、残りの3 眼は導入期と同様の治療を行った。
【結論】RAPに対するPDTトリプル療法では早期に著明な改善がみられ、早期再発を防止できた。再発は認めるものの追加治療により1 年後まで視力を維持できた。