タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 増殖前糖尿病網膜症を伴った外傷性毛様体解離に硝子体手術を行った1例
会議名 TEAM2011(第17回日本糖尿病眼学会総会)
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎城信雄, 千原智之, 舘野寛子, 加賀郁子, 山田晴彦, 高橋寛二, 松村美代
発表年月日 2011/12
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 目的)外傷性毛様体解離に対する治療法として毛様体縫着・凝固、強膜内陥術、硝子体切除+ガスタンポナーデなどが報告されているが、術式の選択基準は確立していない。今回、増殖前糖尿病網膜症を伴った外傷性毛様体解離に硝子体手術と毛様体縫着、毛様体凝固を行った症例について報告する。
症例)39歳男性、約1年前に左眼の鈍的眼球打撲の既往があり変視症を認めた。左眼の矯正視力は(0.8)、眼圧は6mmHg、虹彩後癒着による散瞳不良、鼻側半周に隅角離開と耳側に毛様体解離を認め、視神経乳頭腫脹、黄斑部皺壁を認めた。右眼には広範囲に血管透過性亢進を認める増殖前糖尿病網膜症を認め、血糖コントロールは不良であった。左眼の眼底検査は詳細には行えなかったが、右眼と同等の糖尿病網膜症があり、汎網膜光凝固(PRP)が必要と判断した。左眼に対し、最初に水晶体嚢外摘出+眼内レンズ縫着+硝子体切除+PRP+ガスタンポナーデを行い、術後PRPを完成させた。しかし、毛様体解離は改善せず低眼圧は持続したため、半年後に毛様体縫着+毛様体冷凍凝固+ガスタンポナーデを追加した。その後低眼圧症は改善し、糖尿病網膜症は悪化なく経過している。
結論)本症例では毛様体縫着と毛様体凝固の追加を要したが、最初から硝子体手術を行うことで早期にPRPを完成させることができ、糖尿病網膜症を抑制しつつ毛様体解離を治療することができた。