タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別
発表タイトル 外傷性緑内障治療中に発見されたring melanomaの1例
会議名 第65日本臨床眼科学会
発表者・共同発表者◎真鍋和代, 城信雄, 舘野寛子, 大山奈美, 高橋寛二, 岩下憲四郎, 為政大幾
発表年月日 2011/10
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】輪状黒色腫ringmelanomaは悪性黒色腫が毛様体に限局して輪状に半周以上浸潤するもので本邦では非常に稀である。今回外傷性緑内障の治療中に超音波生体顕微鏡(UBM)で発見された輪状黒色腫の1例を報告する。【症例】44歳女性、左眼鈍的外傷1カ月後に近医受診し外傷性緑内障として加療されるも眼圧コントロール不良のため当科紹介受診した。初診時左眼矯正視力は1.2、緑内障点眼3剤使用下で眼圧30mmHg。左眼に色素性角膜後面沈着物、前房内細胞、2時~7時の隅角に隅角離開を認めた為、左眼外傷性緑内障にて炭酸脱水酵素阻害剤開始するも眼圧コントロール不良であった。受傷3カ月後より左眼の虹彩膨隆、隅角閉塞がみられ、UBMで毛様体全周に肥厚と局所的な毛様体嚢胞形成を認めた。その後毛様体肥厚の進行、水晶体偏位が出現。前房水細胞診でメラニン色素含む異型細胞を検出し、PETにて左眼球と骨に集積亢進を認めた為、輪状黒色腫を疑い左眼眼球摘出施行した。病理組織学的に腫瘍はS100、HMB45陽性を示す紡錘A型およびB型細胞がみられ、隅角および毛様体全周に浸潤しており輪状黒色腫と診断した。【結論】輪状黒色腫の診断にUBMとPET、細胞診が有用であった。本症例では鈍的外傷と腫瘍発生の関係は不明であったが、治療に抵抗する緑内障では輪状黒色腫を鑑別する必要がある。