タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 加齢黄斑変性に対するラニビズマブ無反応例の検討
会議名 第116回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎尾辻剛, 永井由巳, 正健一郎, 津村晶子, 有澤章子, 津田メイ, 髙橋寛二
発表年月日 2012/04
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対するranibizumab硝子体内投与(IVR)における導入期無反応例(いわゆるnon-responder)について後ろ向きに検討した。
【対象と方法】対象は2009年4月から2010年10月までに関西医大滝井病院および枚方病院においてAMDに対して、IVR単独治療の1か月ごと連続3回投与(導入期治療)を終え12か月経過観察できた218眼である。このうち導入期終了時の視力が不変または悪化し、かつOCTで中心窩網膜厚の減少率が10%未満の症例を無反応例とした。
【結果】無反応例は22眼で全症例の10.1%にみられた。治療前の小数換算平均視力は、0. 41で、導入期終了時の平均視力は0.43と有意差はなかったが、治療開始12か月後の平均視力は0.28と有意に低下していた(p=0.021)。治療前の平均病変サイズは4121μmであり、全例(4190μm)と差はなかった。病型は、典型的AMD16眼、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)6眼であり、病変タイプはpredominantly clssic CNVの1眼以外はすべてoccult with no classic CNVであった。12か月までの平均IVR回数は5.2回で全症例(4.4回)より多かったが有意差はなかった。維持期にPDTを追加治療として行った症例は9眼あったが、このうち4眼では最終観察時にも滲出性変化が持続していた。
【結論】IVR導入期無反応例はoccult CNV に多く、PDT にも反応不良の例があった。無反応例の病態には血管内皮増殖因子以外の何らかの因子が関与している可能性が示唆された。