タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル スキャンレーザーを用いた汎網膜光凝固後の硝子体手術術中に網膜剥離を生じた1例
会議名 第18回糖尿病眼学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎吉川匡宣, 山田晴彦, 城信雄, 舘野寛子, 髙橋寛二
発表年月日 2012/11
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【緒言】 近年、高出力・短照射時間のスキャンレーザーが登場し、汎網膜光凝固時の患者の苦痛を軽減できるとして普及している。
【症例】 64歳女性。30年来の無治療糖尿病。血糖コントロール目的で関西医大枚方病院(以下当院)内分泌内科を受診。眼底精査目的にて当院眼科を平成23年6月15日紹介受診した。既往歴に高血圧症と認知症があった。初診時視力は右眼矯正0.9, 左眼矯正0.5、眼圧は右眼20mmHg, 左眼17mmHgであった。前眼部は異常なく、中間透光体は軽度白内障を認めた。両眼増殖糖尿病網膜症(福田分類: B2)があり、左眼は黄斑症を伴っていた。NIDEK社製MC-500 Vixi(スキャンレーザー)を用いて両眼に汎網膜光凝固を行なった。左眼の黄斑症が軽快せず、同年8月18日に白内障手術併用硝子体手術を行った。術中、耳下側周辺部に裂孔を認め、光凝固瘢痕を乗り越えて網膜剥離が拡大した。そのため液空気置換のうえ裂孔周囲にレーザーを行ない術後1週間の腹臥位安静の後、退院となった。術後約1年間、網膜剥離の再発なく、左眼矯正視力は最高0.8まで改善した。
【結語】スキャンレーザーは従来のレーザーと同様の効果があるとされるが、従来のレーザーではレーザー瘢痕を乗り越えて網膜剥離は進展しない。そのためスキャンレーザーは網膜の接着力が従来のレーザーよりも弱い可能性がある。