タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル ぶどう膜炎に続発した網膜前膜に対する硝子体手術の成績
会議名 第36回日本眼科手術学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎小池直子, 尾辻剛, 武田信彦, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2013/01
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【目的】ぶどう膜炎の重要な合併症の一つとして網膜前膜がある。ぶどう膜炎に伴う網膜前膜に対する硝子体手術は、以前には術後の炎症の再燃のため視力予後は不良であると考えられていた1)。近年硝子体手術の安全性の向上でぶどう膜炎に伴う網膜前膜の手術成績も向上している2)。我々はぶどう膜炎に続発した網膜前膜に対する硝子体手術の成績について後ろ向きに検討した。
【対象】平成18年4月から平成24年7月までに関西医科大学附属滝井病院を受診したぶどう膜炎患者のうち、網膜前膜を伴い硝子体手術を施行した9例10眼を対象とした。男性2眼、女性8眼、平均年齢は56.8歳であった。原因疾患はサルコイドーシス4眼、ヘルペス性ぶどう膜炎2眼、原因不明4眼であった。前房内炎症が存在する症例は手術適応とはしなかった。
【結果】手術前の小数換算平均視力は0.24、術後最高視力は0.64で有意に改善した(p<0.01)。視力が悪化した症例はなかった。術前に黄斑浮腫を認めたものが4眼あったが全例で軽快した。1眼で3か月後に炎症が再燃したがトリアムシノロンテノン嚢下投与を行い消炎した。網膜前膜の再発を認めたものはなかった。
【結論】ぶどう膜炎に続発する網膜前膜に対する硝子体手術は消炎している時期に行えば、安全かつ有効な治療法である。
1) Margherio PRら:Ophthalmology 92;1075-1083,1985.
2) Junichi Kiryuら:Jpn J Ophthalmol 47;479-483,2003.