タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 臨床的確定診断に至らなかった硝子体混濁例における硝子体細胞診の検討
会議名 第117回日本眼科学会総会
発表者・共同発表者◎吉田秀之, 松岡雅人, 木下勇一, 髙橋寛二, 西村哲哉
発表年月日 2013/04
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】
硝子体手術の進歩により、ぶどう膜炎などによる原因不明の硝子体混濁に対し硝子体手術が行われる機会が多くなっている。このため得られた硝子体を確定診断や補助診断として細胞診や生化学的検査にも用いることが出来るようになった。そこで当院で行われた硝子体細胞診について後ろ向きに検討した。
【対象と方法】
対象は2000年から2012年までの間に臨床的に確定診断に至らなかった硝子体混濁のある症例に対し硝子体細胞診を行った48例48眼(男性23例、女性25例、平均年齢61.3歳)。サイトスピンを用い硝子体および術中灌流液から細胞を回収し細胞診を行った。術前疑い病名、細胞の悪性度、最終診断について検討した。
【結果】
術前疑い病名の内訳は眼内悪性リンパ腫17例、感染性ぶどう膜炎5例、内因性ぶどう膜炎26例であった。細胞診では悪性度が陽性・疑陽性は11 例、陰性は37例。最終診断は眼内悪性リンパ腫が11例(診断率は64.7%) で、すべてB 細胞性悪性リンパ腫であった。サルコイドーシスは4 例であり細胞診で類上皮細胞と多核巨細胞を認めた。細菌感染症は5例で細胞診では非特異的炎症細胞のみであった。原因不明が28例であった。
【結論】
過去の報告に比べ眼内悪性リンパ腫の診断率が高かった。これは硝子体だけでなく粘調度の低い術中灌流液を用いたことで細胞の回収率が上がったためと考えられる。硝子体細胞診は眼内悪性リンパ腫やサルコイドーシスの補助診断にも有用である。