タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 加齢黄斑変性診断基準による前駆病変を認める症例の眼底所見の変化
会議名 第117回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎永井由巳, 有澤章子, 髙橋寛二
発表年月日 2013/04
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD) を発症した症例の対側眼に前駆病変を認める症例につき、経過観察中の眼底所見の変化について後ろ向きに検討した。
【対象と方法】関西医大枚方病院において過去3 年間以上、AMD と診断を受け経過観察できた連続症例127 例を対象とした。経過観察時におけるAMD 発症の対側眼の眼底所見で、加齢黄斑変性診断基準で定義された前駆病変の有無を確認し、経時的な眼底所見の変化、AMD の発症につき評価した。
【結果】127 例の平均観察期間は54 か月、症例の内訳は典型AMD93例、ポリープ状脈絡膜血管症25 例、網膜血管腫状増殖(RAP)9 例であった。初診時記録で対側眼に軟性ドルーゼンを認めた症例は58 例(45.7%) で、網膜色素上皮異常(色素脱失、色素沈着、小型の漿液性網膜色素上皮剥離) を認めた症例は39 例(30.7% )、両者を認めていた症例は29 例(22.8% ) であった。経過観察中に新たに脈絡膜新生血管(CNV) を発症した症例は7 例(対象全症例の5% 、前駆病変を認めていた症例の10.3%) で、全て初回観察時に前駆病変を認めており、内訳は軟性ドルーゼンが3 例(42% )、漿液性網膜色素上皮剥離が3 例(42% ) であった。
【考察と結論】AMD 発症例の発症対側眼に前駆症例がある症例では、前駆病変のない症例と比べCNV の発生しやすいことが裏付けられた。当科で2000 年に報告したSecond Eye Study (Uyama.et.al. BJO;84:1018-1023,2000) と比べて軟性ドルーゼンからCNV を生じた症例が増加していた。