タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 滲出型加齢黄斑変性の治療形態が患者QoLへ及ぼす影響
会議名 第67回日本臨床眼科学会
発表者・共同発表者◎永井由巳, 有澤章子, 藤田京子, 森隆三郎, 藤井澄, Edward Wang, 安立憲司, Bruce Crawford, 宇多重員, 髙橋寛二, 湯澤美都子
発表年月日 2013/10
開催地
(都市, 国名)
横浜
概要 目的
滲出型加齢黄斑変性(wAMD)患者のクオリティ・オブ・ライフ(QoL)及びうつ度への、治療形態(治療法、通院頻度、治療を始めるまでの期間)の影響を検討した。
対象と方法
対象は3施設にて過去1年間にwAMDに対して加療した患者235名である。National Eye Institute Visual Functioning Questionnaire-25(NEI VFQ-25)質問票でQoLを、老年期うつ尺度短縮版(GDS-S-J)を使いうつ傾向を測定した。治療形態は診療記録を過去1年間遡り調査した。相関関係の解析にはスピアマンの順位相関係数を使用した。
結果
NEI VFQ-25の平均総合スコアは69.2±17.8であり、12.3%の患者がうつ傾向(GDS-S-Jスコアが6点以上)を示した。過去1年間の治療法は、抗血管内皮増殖因子療法(抗VEGF)のみ、光線力学療法と抗VEGFの併用、光凝固術と抗VEGFの併用がそれぞれ88%、4%、2%を占めた。治療と経過観察を合わせた年間平均通院回数は11.8±4.0回で、12回以上通院した患者は52%であった。初診から治療までの期間(初診-治療期間)の中央値は2.2ヶ月で、この診断-治療期間とNEI VFQ-25スコア及びGDS-S-Jスコアでは、スピアマンの相関係数がそれぞれ-0.18(p-value<0.05)と0.07(p-value=0.31)であった。
結論
過去1年間のwAMD患者への治療として抗VEGF単独療法が88%を占めた。初診-治療期間とNEI VFQ-25スコアの間には統計的に有意な負の相関関係がみられたが、うつ尺度とは有意な相関関係はみられなかった。