タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル バックリング手術が初回非復位に終わった裂孔原性網膜剥離症例の検討
会議名 第42回関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会
発表者・共同発表者◎杉山千晶 , 中内正志, 有澤章子 , 石黒利充, 髙橋寛二
発表年月日 2013/05
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 【目的】裂孔原性網膜剥離に対するバックリング手術の初回復位率は約90%である。初回非復位であったバックリング手術施行例の術前、術中、術後の状態を診療録より後ろ向きに評価し非復位の原因を検討した。

【対象と方法】2006年1月以降当院で裂孔原性網膜剥離に対し初回術式としてバックリング手術を選択し術後6か月以上経過観察できた症例は295例303眼。うち初回非復位であった17眼(全症例の5.6%、男性15例、女性2例、平均年齢42.9歳)が対象。術後復位が一度も得られなかった、または一旦復位後6か月以内に再発したものを非復位とした。非復位に影響する術前因子、術中合併症、手術終了時の状態、非復位の原因を検討した。

【結果】術式は局所バックリング15眼(88%)、輪状締結術2眼(12%)。術後一度も復位しなかった症例は9眼(53%)存在した。術前因子では長眼軸長(27㎜以上)10眼(59%)、剥離範囲が2象限以上10眼(59%)、胞状網膜剥離9眼(53%)と多く、以上3つ全てを満たす症例は5眼(29%)あった。術中合併症では網膜穿孔が10眼(59%)と最多であった。手術終了時の状態では裂孔から深部に及ぶ網膜下液の残存を6眼(35%)に認めた。非復位の原因では裂孔閉鎖不全が6眼(35%)、新裂孔形成が5眼(29%)、裂孔再開が4眼(24%)と多かった。

【結論】強度近視、多象限の網膜剥離など非復位ハイリスク症例では、網膜下液の適切な排液と初回から一段階強固な術式を選択することで初回復位率の更なる向上が可能と思われた。