タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 診断に苦慮したモーレン潰瘍の一例
会議名 角膜カンファレンス2014
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎小池直子, 三間由美子, 井上千鶴, 西村哲哉, 高橋寛二
発表年月日 2014/01
開催地
(都市, 国名)
沖縄
概要 緒言
モーレン潰瘍は角膜輪部に沿って角膜浸潤と弧状の潰瘍を特徴とする周辺部角膜潰瘍である。進行すると角膜穿孔に至り、早期に診断、治療することが望ましい。今回我々は前医で円錐角膜と診断されステロイド剤が投与されていたため診断に苦慮したモーレン潰瘍の一例を経験したので報告する。
症例
62歳男性。左眼の眼痛を主訴に近医を受診し、角膜下方の菲薄化と突出を認めた。自覚的に急激な乱視の進行があり円錐角膜疑いにて当科紹介となった。初診時視力左眼矯正0.7、強い結膜充血、SPK、下方角膜の菲薄化を認めた。既往歴はアトピー性皮膚炎。アレルギー性結膜炎としてデキサメサゾンを含む多数の点眼を処方されており、薬剤障害を考慮し一旦点眼をすべて中止すると、一週間後左眼に激痛があり近医で急性水腫と診断され、デキサメサゾン点眼、内服を投与され当科受診。角膜下方の菲薄化の進行と角膜穿孔を認めた。周辺部型角膜ヘルペスを疑いアシクロビル眼軟膏を使用すると、数日後強い実質浮腫を伴う周辺部角膜潰瘍が下方から耳側へ急速に進行した。モーレン潰瘍と診断しシクロスポリン内服を開始したところ潰瘍は縮小し矯正視力は1.0に回復した。
結論
本症例は既往歴にアトピー性皮膚炎があり急激に乱視が進行したことより前医で円錐角膜と診断されていた。また当院へ紹介する前にステロイド剤が使用されていたことで所見がマスクされモーレン潰瘍の診断に苦慮した。