タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 白内障術後に両眼角膜穿孔を生じたリウマチ性角膜潰瘍の一例
会議名 第68回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎越生佳世, 三間由美子, 松岡雅人, 小池直子, 井上千鶴, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2014/11
開催地
(都市, 国名)
神戸
概要 【緒言】リウマチ性角膜潰瘍は関節リウマチ患者に生じる難治性角膜潰瘍として知られている。今回、白内障術後に両眼の傍中心部角膜潰瘍が生じ、両眼角膜穿孔に至ったリウマチ性角膜潰瘍の一例を経験したので報告する。
【症例】69歳女性。認知症があり白内障手術目的で当科紹介受診となった。平成25年11月に両眼PEA+IOLを施行。術後7日目に右眼角膜上皮欠損を認め、術後14日目に右眼角膜穿孔を生じた。当初は感染性角膜潰瘍を疑い、1.5%レボフロキサシン点眼、オフロキサシン眼軟膏、治療用SCL装用で治療を開始したが改善はみられず、角膜擦過物の培養は陰性であった。手指の変形より関節リウマチを疑い、問診すると抗リウマチ薬の内服治療中であることが判明したが、血液検査にてリウマチ因子は異常高値であった。関節リウマチのコントロールは不良と思われ、両眼リウマチ性角膜潰瘍と診断し、0.1%リン酸ベタメサゾン点眼を開始した。その数日後には左眼も角膜穿孔した。その後、タクロリムス点眼、プレドニゾロン内服、シクロスポリン内服を追加したところ角膜所見は速やかに改善した。
【結論】関節リウマチを合併している症例は、白内障手術を契機に角膜潰瘍が発症・再燃することがあり、手術前には患者の既往歴を把握する必要がある。また関節リウマチのコントロールが不良の場合は、リウマチ性角膜潰瘍の発症を念頭に置き術前術後は慎重な経過観察が必要であると考えられた。
【利益相反公表基準:該当】無