タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 結膜下に発生したKaposi肉腫の1例
A case of Kaposi's sarcoma of the palpebral conjunctiva
会議名 第119回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
発表者・共同発表者◎松山育夫, 松山加耶子, 畔満喜, 松岡雅人, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2015/04
開催地
(都市, 国名)
札幌
概要 目的: Kaposi肉腫は後天性免疫不全症候群(AIDS)の合併症として知られているが、結膜下に発生した報告は稀である。今回AIDS患者の結膜下に発生したKaposi肉腫を経験したので報告する。
症例:49歳男性。2013年8月に右眼充血を認め近医受診。流行性角結膜炎と診断され点眼加療されるも症状の改善が見られないため、10月19日関西医大附属滝井病院眼科に紹介受診した。既往歴は歯槽膿漏。初診時視力は右(1.2)、左(1.5)。右眼は結膜下出血、結膜充血が強く、眼瞼結膜、眼球結膜下に無痛性の硬い隆起病変を認めた。両眼とも中間透光体、眼底に異常なし。右側頬部から上眼瞼にかけて腫脹、熱感、全身に赤色の隆起性腫瘤も認め、歯槽膿漏の悪化も疑い耳鼻科、全身の腫瘤は皮膚科に紹介した。抗生物質全身投与に反応なく、悪化傾向のため生検を予定したところ、術前採血でHIV-1抗体陽性と判明した。本人が確定診断を希望したため2013年12月4日右眼瞼結膜下腫瘍生検施行。病理検査では結膜上皮下に紡錘形細胞の増殖を認め、高クロマチンの腫大した紡錘形細胞の増殖、異常核分裂像を伴っていた。また腔内に赤血球を容れたスリット状の裂隙や出血、ヘモジデリン沈着などの特徴的所見を認めた。CD31、CD34、MIB1陽性でありKaposi肉腫と診断した。全身腫瘤も再精査したところKaposi肉腫と診断され全身治療のため転院となった。
結論:投薬に反応しない無痛性の結膜下隆起性病変は、原因の一つとしてKaposi肉腫を考慮する必要がある。