タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 網膜と網膜色素上皮過誤腫の光干渉断層計所見
会議名 第69回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎松山真弘, 中道悠太, 城信雄, 髙橋寛二
発表年月日 2015/10
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】
網膜・網膜色素上皮過誤腫(以下本症)は、網膜色素上皮(RPE)、グリア細胞、毛細血管の混在した増生を示す稀な良性腫瘍である。本症3例のスペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)所見について報告する。
【症例】
症例1:12歳男性。右眼底後極部の血管アーケード内を中心に、網膜血管の走行異常とRPEの脱色素を示す境界鮮明な病変を認めた。フルオレセイン蛍光造影(FA)では、病変部の毛細血管の増生を示し、脱色素病変は点状低蛍光と過蛍光が混在していた。インドシアニングリーン蛍光造影では病変部は低蛍光を示した。SD-OCTでは、病変部の網膜全層の肥厚と層構造の消失、黄斑部ではRPEラインの著明な肥厚、外顆粒層の菲薄化、脈絡膜の菲薄化と反射亢進を認めた。
症例2:12歳女性。左眼底に乳頭上から耳上側に広がる不規則な脱色素病変を認めた。FAでは乳頭上にも毛細血管増生を認めた。SD-OCTでは網膜全層肥厚と層構造消失、RPEラインの著明な肥厚、脈絡膜反射亢進、黄斑部脈絡膜の菲薄化を認めた。6年の経過観察では網膜外層の萎縮進行と病変部拡大、軽度の嚢胞様黄斑浮腫の出現を認めた。
症例3:56歳女性。左眼底に乳頭から上耳側に広がる周囲に色素沈着を伴う約4乳頭径大の黄白色の脱色素性病変を認めた。SD-OCTでは網膜全層の肥厚と層構造消失、網膜上膜、脈絡膜肥厚を認めた。
【結論】
本症のSD-OCT所見では、網膜に特徴的な変化を示すとともに脈絡膜にも変化を認めた。