タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 治療後長期間生存している悪性視神経膠腫の1例
会議名 第69回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎藤原望, 中内正志, 正健一郎, 山田晴彦, 最所千晶, 岩田亮一, 髙橋 寛二
発表年月日 2015/10
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 治療後長期間生存している悪性視神経膠腫の1例
サブタイトル:予後良好な悪性視神経膠腫の1例
Malignant optic glioma;a case report of long-term survival patient
演者:藤原 望、中内 正志、正 健一郎、山田 晴彦、最所 千晶、岩田 亮一、髙橋 寛二
所属:関西医科大学附属枚方病院眼科、関西医科大学附属香里病院眼科、関西医科大学附属枚方病院脳外科

【緒言】悪性視神経膠腫は治療後短期間で死亡する症例が多い。眼球及び腫瘍摘出後3年経過した現在も僚眼および頭蓋内への転移を認めず良好な経過をたどっている悪性視神経膠腫の症例を経験したので報告する。
【症例】59歳女性。2011年末から翌年1月にかけて急速な左眼視力低下を認めたが放置。近医にて左網膜中心動脈閉塞症を疑われ、同年2月21日当科紹介受診。初診時左眼光覚なし、視神経乳頭は境界不鮮明に腫脹し、蒼白であった。視神経乳頭の下方にoptociliary shunt vesselと思われる異常血管がみられた。球後腫瘍の存在を疑わせる脈絡膜皺壁を認めたためCT、MRIを施行したところ、球後から視交叉腹側にかけて著明な肥大がみられ視神経膠腫が疑われた。治療および確定診断目的で同年5月6日に脳外科で腫瘍摘出術、6月13日当科にて眼球摘出術を実施。摘出腫瘍の病理組織から退形成星状細胞腫と診断され、切除した視神経の中枢側断端は陽性であったため、残存腫瘍に対し化学療法と放射線外照射を施行。その後MRIで腫瘍の縮小を認め、右眼および頭蓋内の他部位への転移は認めず2015年4月現在存命中である。
【考察】視神経膠腫は通常、若年者に発症する良性腫瘍であるが、成人に発症した場合、1年以内に死に至ることが多い。本症例も急速な視力障害で発症し初診時失明していたが、治療後3年経過した現在、良好な経過をたどっている。残存腫瘍に対して今後も注意深い経過観察が必要である。