タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル ~Late Breaking Abstract~非滲出型脈絡膜新生血管を認めた加齢黄斑変性のOCT-Angiography
会議名 第70回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎永井由巳, 大中誠之, 中川和紀, 藤田京子, 木村元貴, 千原智之, 髙橋寛二
発表年月日 2016/11
開催地
(都市, 国名)
京都市
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)の確診所見の主要所見として脈絡膜新生血管(CNV)が挙げられるが、従来は蛍光眼底造影によりCNVの存在や活動性を確認してきた。しかしながら、近年の光干渉断層計(OCT)の進歩により、血管構築を描出することも可能となり(OCT-Angiography;OCT-A)、CNVを非侵襲的に検出できるようになった。今回、滲出性所見を伴わないAMDについてOCT-A所見を検討したので報告する。
【症例】症例は82歳、78歳、61歳で全て男性の3症例で、眼底には網膜色素上皮の変性を認めるものの、漿液性網膜剥離や網膜下出血などの滲出性所見を認めなかった。全症例においてフルオレセイン蛍光造影で網膜色素上皮の変性による顆粒状の過蛍光を示すものの蛍光漏出はなく、インドシアニングリーン蛍光造影でも晩期のプラークは不明瞭であった。これらの症例をOCT-Aで観察すると、網膜色素上皮下に明瞭な網目状のCNVが描出できた。OCT B-scan像では、いずれの症例も網膜色素上皮下に扁平に広がるCNVを示唆するdouble layer signがみられた。
【結論】AMDにおいて、滲出を伴わないCNVをOCT-Aで非侵襲的に観察することが可能であった。AMDの中には、CNVが存在していても網膜下液や網膜浮腫を認めず、蛍光造影で漏出を認めない非滲出性の症例が存在し、特に網膜色素上皮下で扁平に広がるCNVはOCT-Aで確認しやすいことがわかった。 
Late Breaking にて応募の理由
 滲出型加齢黄斑変性の診断には、これまでフルオレセイン蛍光造影やインドシアニングリーン蛍光造影で脈絡膜新生血管(CNV)を検出し、蛍光漏出の有無や程度から活動性も評価してきた。最近開発市販されるようになったOCT Angiographyによって非侵襲的にCNVを検出でき、また造影検査で不明瞭なCNVでも明瞭に検出できることがあり、安全な上に診断の質を高める上で有用な検査と言える。今回、AMDの中に非滲出型の症例があることを紹介し、網膜色素上皮下で扁平に広がるCNVの検出にOCT-Aが有用であることを紹介したい。