オオナカ マサユキ   OHNAKA MASAYUKI
  大中 誠之
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   講師
言語種別
発表タイトル 近視性脈絡膜新生血管に対するラニビズマブ療法の効果
Effect of ranibizumab therapy for myopic chroidal neovasucularization
~mCNVに対するIVR効果~
会議名 第68回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎木村元貴, 永井由已, 三木克朗, 大中誠之, 千原智之, 髙橋寛二
発表年月日 2014/11
開催地
(都市, 国名)
神戸
概要 【目的】
ラニビズマブ硝子体内投与(IVR)を行った近視性脈絡膜新生血管(mCNV)の短期成績を検討した。
【対象】
IVR後2か月以上経過観察ができたtreatment naïveのmCNV、15例15眼の中心窩網膜厚、病巣部網膜厚、視力を後ろ向きに検討した。
【結果】
平均年齢は67.5±11.6歳、男性2例女性13例で、9眼(60%)が単回投与、6眼(40%)は複数回投与で、内訳は効果不良例3眼(20%)、再発例3眼(20%)であった。投与回数は平均1.53±0.83回(1~4回)、観察期間は平均4.27±2.12か月(2~8か月)であった。IVR前の中心窩網膜厚355.1±154.8µm、病巣部網膜厚440.5±141.0µm、1か月後中心窩網膜厚225.5±56.9µm、病巣部網膜厚313.2±79.7µm、最終中心窩網膜厚256.5±132.6µm、病巣部網膜厚351.0±126.4µmと、それぞれ有意な網膜厚の減少がみられた。logMAR視力換算で0.3以上の改善を有意とすると、1か月後は改善3眼(20%)、不変12眼(80%)で、最終観察時は改善6眼(40%)、不変9眼(60%)で悪化はみられなかった。平均小数視力はIVR前が0.38±0.28、1か月後は0.54±0.39、最終観察時では0.53±0.38と有意に改善がみられた。単回投与群と複数回投与群では病巣径、病巣部網膜厚に有意差はみられなかった。
【結論】
Treatment naïveのmCNVにおけるIVRは、視力においても、解剖学的にも短期間で有意な改善がみられ、有効な治療法であるが、複数回投与を要する症例もあり、IVR後も綿密な経過観察が必要であると思われた。