ヤマグチ タカシ   YAMAGUCHI TAKASHI
  山口 隆志
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 消化器内科外来におけるアルコール性肝疾患患者に対する禁酒日記アプリ使用の試み(パイロット研究)
会議名 第109回日本消化器病学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者山敷 宣代, 村田 美樹, 諏訪 兼彦, 山科 雅央, 山口 隆志, 青井 一憲, 吉田 勝紀, 島谷 昌明, 関 寿人, 長沼 誠
発表年月日 2023/04/06
国名 日本
開催地
(都市, 国名)
長崎県長崎市(出島メッセ長崎)
開催期間 2023/04/06~2023/04/08
学会抄録 第109回日本消化病学会総会 プログラム・抄録集 A281
概要 【目的】アルコール性肝疾患(ALD)診療においては臓器障害とアルコール依存症双方の診断治療が重要であるが,内科における後者の診療は疎かになりがちである.昨今スマートフォンアプリ(アプリ)が診療に導入されつつあるが,アプリが医療者の負担軽減にも繫がれば,臓器障害診療と禁酒指導の両立が可能になる可能性がある.【方法】(検討1)2016年から2021年8月に当科に初回入院したALD患者118例につき,背景因子,検査所見,飲酒習慣の変化,予後について後ろ向きに調査した.(検討2)断酒指導に用いる禁酒日記アプリを新規開発しパイロット研究を開始した.アプリは飲酒量と日記を入力する患者用画面と,患者毎にタブレットで閲覧できる医師用画面を作成.冊子を用いて指導した後アプリを毎日使用するよう指導,開始前,4週後,8週後の飲酒量の変化,断酒率,血液検査データについて評価した.2021年8月~2022年5月,禁酒または断酒を要する当科入院又は通院患者のうち,14例から同意を得た.【結果】(検討1)初回入院理由は肝硬変合併症(肝細胞癌除く)65例,肝細胞癌22例,アルコール性肝炎14例,その他17例.年齢は中央値58(30~85)歳,男性87例(74%).肝硬変例の20%,肝細胞癌例の11%,アルコール性肝炎例の50%に精神疾患を合併した.肝硬変例のうち禁酒・節酒した41例の累積生存率は,飲酒継続した23例と比較し有意に良好であった(p=0.02).(検討2)14例中12例が通院継続し,11例が期間中33%~99%の日数でアプリを使用した.開始前と比較し4週までの1日平均飲酒量(純エタノール換算)は有意に減少し(100±70g→13±25 g,p<0.01),血清アルブミン値の有意な増加を認めた(3.0±0.9g/dL→3.3±0.8 g/dL,p<0.01)が,4週から8週には有意差は認めなかった.期間中5例が断酒継続できた.【結論】ALD患者の多くが初回入院時に既に重篤な臓器障害を呈していたが,禁酒・節酒は予後に影響した.禁酒アプリのパイロット研究では,飲酒量の軽減が観察できた.今後はモチベーション維持にむけたフィードバック機能等の改良を行う予定である.