フクイ トシロウ   FUKUI TOSHIRO
  福井 寿朗
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 清酒由来チオレドキシン(TRX)素材・清酒濃縮乾燥物によるインドメサシン(NSAIDs)起因性
胃粘膜障害予防効果の検討
会議名 第6回日本消化管学会総会学術集会|消化管学の確立に向けて
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎中島淳, 福井寿朗, 岡崎和一, 淀井淳司
発表年月日 2010/02
開催地
(都市, 国名)
博多,日本国
概要 【背景と目的】チオレドキシン(TRX)は抗酸化作用や抗アポトーシス作用、好中球の炎症部位への血管外遊走を阻止する抗ケモタキシス作用、抗炎症作用を有している。インドメサシン起因性胃粘膜障害は、胃粘膜防御機構の低下、好中球の活性化と活性酸素による胃粘膜傷害、微小循環障害が原因とされる。製造工程の調整(熱・アルコールストレス)により、TRX含量を高めた清酒酵母由来の清酒濃縮乾燥物(TRX含量;1000-2000μg/g)を10%配合したマウス用飼料を摂取させ、インドメサシンを原因とする胃粘膜障害の予防効果を検討した。【方法】生後8週齢(体重約20g)のC57BL/6マウスにTRX 350-700μg/body/day相当の清酒濃縮乾燥物(0.35g/body/day)を含んだ10%配合飼料(3.5g/body/day)(またはコントロール群として標準飼料)を3日間摂取させた。3日間の摂取の後、インドメサシン(またはコントロール群として生理食塩水)800μg/bodyの溶液を腹腔内注射し、絶飲食の状態で投与後24時間にて胃を摘出した。組織学的評価、胃粘膜MPO活性およびサイトカインの発現をPCR法にて解析した。【結果】TRX投与群ではTRX非投与群に比べ、インドメサシンによる組織の上皮壊死、粘膜浮腫および好中球浸潤において有意に改善効果を認めた。また、MPO活性およびIL-1β、IL-6の発現も有意に低下していた。【結論】清酒酵母由来チオレドキシンの経口摂取によってインドメサシン起因性胃粘膜障害の軽減効果を認めた。