ミズノ ヤスユキ
MIZUNO YASUYUKI 水野 泰行 所属 関西医科大学 心療内科学講座 職種 診療講師 |
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論文種別 | 症例報告 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | その他(不明) |
表題 | 患者に自由な語りの場を提供することが関係構築に有効であった慢性疼痛の一症例 |
掲載誌名 | 正式名:慢性疼痛 |
巻・号・頁 | 34(1),116-119 |
著者・共著者 | 藤井亜紗美, 首藤由江, 水野泰行, 福永幹彦 |
発行年月 | 2015/12 |
概要 | 慢性痛の難治化の要因として、虐待歴や社会的疎外感、アレキシサイミア傾向等があげられる。症例は41歳女性、上司から後頭部を叩かれたことを契機とし、右上肢の自発痛や水圧での伊丹を訴え、アロディニアと思われる症状が出現した。器質的疾患は認めず、心理的要因の関与が大きい病態であると考え、心理面接導入となった。面接では当初表面的な話題に終始し、共感や保証されると逆に攻撃的になる傾向があった。そのため患者が自由に語れる場を提供し、傾聴に徹したところ、幼少期から続く父親からの虐待と感情について語れるようになった。その後痛みは不変だったが、感情的側面への問いかけへの抵抗は薄れ表情も穏やかになった。患者の話を無批判に傾聴し、強要せず自由に話せる場を提供することで、治療者との関係に安心感や信頼感が構築されたと考えられる。患者に自由に語れる場を提供したことが信頼関係構築に有用であった。 |