ヒダカ ヒロシ
HIDAKA HIROSHI 日高 浩史 所属 関西医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 職種 准教授 |
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論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
招待の有無 | 招待あり |
表題 | 先天性真珠腫の発生部位の国際的地域差について 当科新旧2統計間の比較とシステマテックレビューから |
掲載誌名 | 正式名:小児耳鼻咽喉科 略 称:小児耳鼻 ISSNコード:09195858 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 35(3),243-251 |
著者・共著者 | 日高浩史, 小林俊光 |
担当区分 | 筆頭著者 |
発行年月 | 2014/11 |
概要 | 先天性真珠腫の占拠部位からStage分類が試みられている。しかし,この分類は欧米で多いとされている前上象限(ASQ)から発生した病変が,後方に向かって進展する病態を反映した分類になっている。本総説では,アジアと欧米で先天性真珠腫の占拠部位に関する差があるかを検討するため,最近10年間に当科で手術を行った先天性真珠腫31例についてPotsicによるStage分類を適用してその臨床像を検討した。次に病変の局在に関するシステマティックレビュー/メタ分析を行った。当科の症例を検討すると,真珠腫の局在に関しては,Stage I,IIの86%(6/7)が鼓室前方に位置する病変であった。これに対し,Stage III,IVにおいて鼓室前方に位置する症例は2例のみで,50%(12/24)が鼓室後方の病変であった。末武らが報告した当科の1990年前後の40例と比較検討すると,Stage IIIが依然として60%以上で最多を占めた。PSQに発生してStage IIIに分類される例が多く,欧米のASQ型でStage Iに分類されるケースが過半を占める状況とは異なることは,先天性真珠腫の発生母地の多様性を支持すると考えられた。先天性真珠腫の局在に関するシステマティックレビュー/メタ分析では,アジアからの報告例のメタ分析でのASQ,PSQに病変のある率は各々,0.54と0.69であった。従ってアジアではASQよりもPSQに病変がある例が多い傾向であった。一方,欧米の報告例の分析から得られた発生率は,ASQが0.76と高値であるに対し,PSQは0.59であった。従って,病変の存在部位はASQの方がPSQより多いという,アジアと逆の傾向を認めた。これはASQに発生した病変が後方のPSQに進展する例が多いというPotsicらの進展経路を反映した結果と考えられた。Attic,及びmastoidの存在部位に関しては,アジアと欧米で明らかな違いは見られなかった。先天性真珠腫の病態には諸説あり,未解決な点も多いが,病変の発生母地にアジアと欧米で,何らかの相違がある可能性が示唆された。Potsicらの進展度分類方法は国内外から予後と相関することが報告されており,これにASQに病変を有するか否かを追記することで,よりグローバルに適応できると考えられた。 |
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