タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 診断に苦慮したLeber遺伝性視神経症の1例
会議名 第47回日本神経眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎南野桂三, 安藤彰, 竹内正光, 髙橋寛二, 小池直子, 小林かおる, 秋岡真砂子, 河合江実, 西村哲哉
発表年月日 2009/11
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 目的:視力障害の原因がわからず、臨床経過が複雑であったため、診断に苦慮したLeber遺伝性視神経症の1例について報告する。
症例:56歳男性。両眼視力低下を主訴として、平成20年11月1日当院を受診した。5か月前から両眼視力低下を自覚、近医にて緑内障を指摘され、点眼治療を受けていたが、症状は悪化、その後3か月前から急激な視力低下と視野障害が出現した。副鼻腔炎の手術歴がある。両親と8人兄弟に眼疾患はない。初診時、矯正視力は右眼(0.02)、左眼(0.08)、眼圧は右眼14mmHg、左眼12mmHgで、ゴールドマン視野検査では、右眼に中心暗点、左眼の鼻上側に視野欠損を認めた。中心フリッカー値は右眼10.6Hz、左眼17.8Hzと低下していた。前眼部に異常はなく、眼底検査では両眼視神経乳頭に高度な陥凹拡大を認めた。血液検査、MRI、蛍光眼底造影検査、VERISでは、診断に至る異常所見は認められなかった。11月27日から視神経炎を疑いステロイドパルス治療を開始したが反応はなかった。入院中、兄弟は異母兄弟であることが判明し、Leber遺伝性視神経症を疑い遺伝子検査を行ったところ、ミトコンドリアDNAの11778番塩基対に変異が認められた。
結論:視神経乳頭陥凹拡大がみられ視神経炎様の臨床経過を呈する症例では、緑内障や視神経炎以外に萎縮期のLeber遺伝性視神経症も鑑別する必要がある。