タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 原因不明のぶどう膜炎に網膜中心動脈閉塞症を合併した小児例
会議名 スリーサム・イン なにわ(第43回眼炎症学会)
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎武田信彦, 西川真生, 岩下憲四郎, 髙橋寛二
発表年月日 2009/07
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 【目的】小児に発症したぶどう膜炎に網膜中心動脈閉塞症を合併した症例を報告する。【症例】13歳女性が右眼充血と眼痛自覚。数日後に突然右眼の視野欠損を自覚し、その後約4時間後に受診した。初診時視力は右光覚弁、右眼圧57mmHg、右眼に強い虹彩炎の所見を認めた。眼底上方と最周辺部全周に網膜の乳白色混濁を認め、蛍光眼底造影で腕―網膜時間と網膜内循環の遅延がみられ、網膜中心動脈閉塞症と診断した。治療として高浸透圧剤の点滴静注を行い、同日眼圧は右37mmHgまで下降し、視力は右0.7に回復した。その後ステロイドおよび眼圧下降剤の点眼・内服、抗血小板剤内服にて消炎とともに眼圧は右14mmHg前後に下降、10日目に視力は1.0に回復したが、下方の視野欠損を残した。初期にみられた眼底上方と最周辺部の乳白色混濁は経過中に自然消退し網膜は菲薄化した。全身検査にて自己免疫異常・感染症は全て陰性であった。【考察】原因不明のぶどう膜炎により急激に眼圧が上昇し続発開放隅角緑内障が生じたため、網膜中心動脈閉塞症を発症したと考えられた。消炎と眼圧下降により網膜動脈が部分的に再疎通したため視力は回復したが、動脈閉塞が強かった部位で視野欠損が残った。【結論】原因不明のぶどう膜炎による高眼圧症に網膜中心動脈閉塞症を伴った稀な小児の症例であった。