オオナカ マサユキ   OHNAKA MASAYUKI
  大中 誠之
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 脳回転状脈絡網膜萎縮症の網膜色素上皮細胞におけるアルギナーゼIIの役割
会議名 第114回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎大中誠之, 芦高恵美子, 金子志帆, 安藤彰, 伊藤誠二, 髙橋寛二
発表年月日 2010/04
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】脳回転状脈絡網膜萎縮症(gyrate atrophy:GA)は、網脈絡膜変性による進行性の視野欠損を特徴とする疾患で、オルニチンアミノ基転移酵素(OAT)遺伝子変異が原因で高オルニチン血症をきたす。OAT遺伝子欠損マウスでは、網膜色素上皮(RPE)細胞が最初に傷害されることが報告されているが、傷害機序は不明である。これまでに我々は、ヒト培養RPE細胞にOATの特異的阻害剤である5-フルオロメチルオルニチン(5-FMO)とオルニチンを添加することで細胞傷害を起こすin vitroのGAモデルを確立し、マイクロアレイ解析から、アルギナーゼ(ARG)IIの発現上昇を認めた。そこで、GAモデルにおけるARGIIの関与を明らかにすることを目的とし解析を行った。
【方法と結果】(1)Real-time PCRにて、作用させたオルニチンの濃度および時間依存的にARGIIの発現上昇がみられた。(2)siRNAを用いてARGIIの発現を抑制したところ、GAモデルでの細胞傷害が増強した。(3)アルギニンは一酸化窒素(NO)合成酵素の基質である。グリース法により、GAモデルでのNO産生上昇と、ARGIIの発現抑制によるNO産生のさらなる上昇が認められた。(4)NOドナーの添加により、細胞傷害が生じた。
【結論】GAモデルにおいて、オルニチンによるARGIIの発現上昇と、それに伴う細胞保護効果が認められた。さらに、ARGIIの発現抑制により生じるNO産生が、細胞傷害を引き起こすことが示唆された。