タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル RetCamⅡを用いて観察したBloch-Sulzberger症候群の1例
会議名 第49回網膜硝子体学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎加茂佑子, 西川真生, 山田晴彦, 高橋寛二


発表年月日 2010/11
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 【緒言】Bloch-Sulzberger症候群は皮膚の色素失調症に歯牙、中枢神経、眼病変を来す稀な疾患である。未熟児・小児用広角デジタル眼底カメラRetCamⅡを用いて眼底病変が観察可能であった症例を経験した。
【症例】生後1日の満期産女児。出生時より四肢、体幹に列状、集簇性配列を示す特徴的な紅斑、丘疹を認め、平成21年7月31日当院NICUに搬送された。初診時眼底検査にて、右眼は網膜血管の発育は良好であったが、左眼の眼底耳側周辺部に網膜血管の拡張蛇行と途絶、血管吻合および網膜新生血管がみられた。その後、末梢血検査において好酸球増多、紅斑部の皮膚病理組織検査にて好酸球浸潤がみられ色素失調症と診断された。生後36日目に両眼眼底をRetCamⅡにて観察記録の上、増殖性変化の進行抑制のため、左眼の耳側周辺部の無血管領域に単眼倒像レーザーによる網膜光凝固術を施行した。その後、網膜血管の拡張蛇行は消失し、増殖性変化は消退した。1年経過した現在、皮膚および眼病変以外に全身症状は見られない。
【考察】Bloch-Sulzberger症候群はNEMO/IKK γ遺伝子変異をもとに発病し、眼底に未熟児網膜症様変化を来す稀な疾患として鑑別が重要である。本症例ではRetCamⅡの最大130°までの広角デジタル撮影によって眼底病変が明瞭に観察記録でき、光凝固治療に結びつけることができた。
【結論】色素失調症が疑われたら生後早急な眼底検査が必要であり、RetCamⅡは本症例のような稀な疾患においても眼底の観察記録に非常に有用であった。