タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | マイラゲル®を使用した強膜内陥術後にバックル摘出を行った症例についての検討 |
会議名 | 第64回日本臨床眼科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
発表者・共同発表者 | ◎小池直子, 尾辻剛, 西村哲哉, 垰本慎, 有澤章子, 石黒利充, 髙橋寛二
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発表年月日 | 2010/11 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
概要 | <目的>
近年、裂孔原性網膜剥離に対する強膜内陥術のバックル素材として用いられたマイラゲル®の膨化による合併症の報告が問題となっている。当教室でも2005年に39眼のバックル摘出症例の報告を行ったが、今回さらに多数症例でマイラゲル®膨化のためにバックル摘出に至った症例の後ろ向き調査を行った。 <対象> 対象は1996年2月から2010年5月までに関西医大滝井および枚方病院にて同意を得てマイラゲル®を摘出した202例211眼である。男性121眼、女性90眼で平均年齢は52.0歳であった。膨化に伴う症状が強いもの、あるいはバックルが結膜を穿孔して露出しているものを摘出の適応とした。 <結果> 網膜剥離手術からバックル摘出までの期間は平均13.0年であった。主な自覚症状は結膜隆起107眼、眼球運動障害93眼、異物感68眼、複視66眼、眼瞼腫脹40眼であった。またバックル露出を2眼に認めた。バックルの全摘出ができなかったものは27眼で、バックル摘出で自覚症状が軽減しなかったものは32眼であった。バックルの眼内浸潤のため術中に強膜穿孔したものが3眼、術後再剥離を3眼に認めた。 <結論> マイラゲル®の摘出によって自覚症状が軽減しなかったのは約15%であった。マイラゲル®が眼内浸潤しつつあると判断した場合には、強膜穿孔などによって高度の視力障害を来たす可能性があるため早急な摘出が必要である。摘出術前の十分なインフォームドコンセントが重要であると思われた。 |