タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 黄斑下血腫に対するガスタンポナーデによる血腫移動術の検討
会議名 第34回日本眼科手術学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小池直子, 尾辻剛, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2011/01
開催地
(都市, 国名)
京都
概要 【目的】黄斑下血腫を移動させるためガスタンポナーデが有効である1)。黄斑下血腫に対するガスタンポナーデによる血腫移動術施行例について後ろ向きに検討を行った。
【対象と方法】対象は平成16年11月から平成22年5月までに関西医大滝井病院にて黄斑下血腫に対して血腫移動術を施行し、3か月以上経過観察した16例16眼である。男性7眼、女性9眼で平均年齢は71.0歳であった。原疾患は広義加齢黄斑変性11眼、網膜細動脈瘤5眼であった。血腫移動術は輪部から3.5~4mmで経結膜的に0.3~0.7mlのガス注入を行い、術後腹臥位とした。術前後の視力変化を比較し、原疾患、手術までの期間で視力改善に差があるか検討した。
【結果】術前のlogMAR平均視力の小数視力換算値は0.13で、術後3か月は0.20と回復傾向にあったが有意差はみられなかった(p=0.12)。合併症は硝子体出血を来たした1眼のみであった。広義の加齢黄斑変性と網膜細動脈瘤の間で視力変化に有意差はみられなかった(p=0.36)。色素上皮下血腫がみられる症例では血腫は移動しにくかった。発症から手術までの期間が14日以内の症例(11眼)に限ると、術前と術後3か月で有意に視力改善した(p=0.01)。
【結論】血腫移動術後3か月では視力回復傾向にあり、発症後14日以内の症例では有意に視力改善が得られた。黄斑下血腫には早期のガスタンポナーデによる血腫移動術が有効であると考えられた。
1)Ohji-Mら;Arch Ophthalmol 116;1236-1332,1998.