タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 網膜虚血再還流モデルに対するG-CSFの神経細胞保護効果の検討 |
会議名 | 第115回日本眼科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎嶋千絵子, 足立靖, 南野桂三, 池原進, 髙橋寛二
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発表年月日 | 2011/05 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 目的:G-CSF(Granulocyte Colony-Stimulating Factor)は近年、神経系細胞に抗アポトーシス作用を介する神経保護効果が報告されている。今回網膜虚血再還流(I/R)モデルラットを用いてG-CSFの効果について検討した。対象と方法:7~8週齢SDラットを使用し、術直前にG-CSFまたは生理食塩水の投与を行い、右眼にはsham operation、左眼に高眼圧によるI/Rモデルを作成。正常群(sham operationのみ)、コントロール群(I/Rモデル作成後、生理食塩水の腹腔内投与4日間)、G-CSF群(I/Rモデル作成後、G-CSF100μg/kg/dayの腹腔内投与4日間)の3群(各群n=6~7)に分け、術7日目に両眼眼球摘出した。摘出眼球標本のHE染色、TUNEL染色、p-AKT免疫染色、ウェスタンブロット法で網膜内のp-AKT/AKTについて検討した。結果: HE染色では、内網状層~内境界膜/外顆粒層(IPL-ILM/ONL)、内顆粒層/外顆粒層(INL/ONL)、神経節細胞層中の細胞数において、コントロール群よりもG-CSF群は高値であった。TUNEL染色では、TUNEL染色陽性細胞はINL-ILM、ONLにおいて、コントロール群よりもG-CSF群は少なかった。ウェスタンブロット法では、AKTの活性化(p-AKT/AKT)は他群と比較してG-CSF群で約3倍に増加していた。p-AKT陽性細胞は、G-CSF群において神経節細胞層に多く認めた。結論:I/RモデルラットにおいてG-CSF投与は神経細胞のアポトーシスを抑制し神経保護効果を認め、その機序の一つとしてAKTのリン酸化の関与が考えられた。
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