タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ヘルペス性角膜輪部炎から強膜炎に移行し、治療に苦慮した1例 |
会議名 | 第65回日本臨床眼科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎三間由美子, 木下茂, 西村哲哉, 髙橋寛二 |
発表年月日 | 2011/10 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 【目的】強膜炎の原因には膠原病に合併するものやヘルペスウイルス感染症によるものが知
られている。今回ヘルペス性角膜輪部炎に合併した前部強膜炎が遷延化し、後部強膜炎に移 行して治療に苦慮した症例を経験したので報告する。 【症例】19 歳、男性。主訴は左眼視力低下。約1か月前から左眼充血と角膜周辺部の浸潤 を繰り返し、カタル性角膜浸潤として加療されていたが、徐々に所見が悪化し、視力低下が 著しくなったため平成18 年7 月に当院へ紹介。初診時視力は右(1.2)左(0.04)で左眼は 強い毛様充血と角膜実質全体にびまん性浮腫、角膜周辺部に境界不明瞭な浸潤を認めた。当 初は細菌感染を疑い抗菌剤の頻回点眼を行うも変化なく、抗真菌治療を追加してむしろ悪化 し、眼圧上昇を認めた事よりヘルペス感染を疑い、抗ヘルペス治療に切り替えると所見は著 明に改善した。しかし、その後前部強膜炎が遷延化、ステロイドに反応はするものの減量す ると再燃を繰り返すため、京都府立医大眼科へ紹介した。ステロイド内服増量でしばらくは 改善傾向であったが、内服の減量に伴い再燃し、紹介後5 か月目に後部強膜炎に移行しステ ロイドパルスを行った。その後も内服漸減中に後部強膜炎が再燃し、再度パルス施行。 現在もまだ強膜炎、角膜炎の再燃は繰り返すものの左眼視力は(1.2)を保っている。 【結論】病因を確定出来ない前部強膜炎から後部強膜炎に移行した稀有な例を経験した。 |