タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル Epithelial downgrowthの摘出眼球の1例
会議名 第65回日本臨床眼科学会(眼病理研究会)
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎畔満喜, 高橋寛二, 南野桂三, 和田光正, 螺良愛郎, 西村哲哉
発表年月日 2011/10
開催地
(都市, 国名)
東京
学会抄録 抄録集 231 2011
概要 【目的】小児期の穿孔性眼外傷既往眼で,壮年期の眼球打撲後にepithelial downgrowthが進行,失明したのち眼球摘出を行った1例の病理組織所見を報告する。【症例】45歳女性。10歳時に硝子による右眼穿孔性眼外傷手術の既往があった。40歳時に 右眼球打撲にて著明な眼圧上昇(50mmHg)と視力低下を生じ, 一旦軽快するも約半年後に炎症が再燃し関西医大枚方病院に紹介となった。虹彩上に膜様物と嚢胞を認めepithelial downgrowthと診断した。経過中に虹彩上の膜様物は虹彩上を上方から下方へ徐々に拡大・進展し瞳孔領を膜が覆ってiris bombeの状態となり,前房が消失し失明した。その後角膜潰瘍を合併,角膜穿孔し,疼痛が強いため眼球摘出を行った。【結果】肉眼的に、眼球割面の赤道部付近に硝子体の牽引を認めた。HE染色で角膜裏面に重層扁平上皮と線維血管膜を認め,虹彩が前方へ牽引され虹彩前癒着・隅角閉塞を生じていた。脱メラニン処理後のサイトケラチン19(CK19)染色でも重層扁平上皮を確認した。虹彩と毛様体にはリンパ球浸潤を生じていた。網膜神経線維層および前・後篩状板部に広範なグリオーシスを認めた。【結論】外傷既往眼でepithelial downgrowthが30年以上鎮静化していた場合でも,眼球打撲を契機に再活動することがある。