タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 照射困難な病変に対する光線力学的療法(アイロニングPDT)の長期成績 |
会議名 | 厚生労働省 難治性疾患克服研究事業 網脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 平成24年度班会議 |
発表者・共同発表者 | ◎尾辻剛, 正健一郎, 津村晶子, 小池直子, 津田メイ, 西村哲哉, 髙橋寛二 |
発表年月日 | 2013/01 |
開催地 (都市, 国名) |
名古屋 |
概要 | 【目的】演者らは滲出型加齢黄斑変性(AMD)には抗血管内皮増殖因子薬(抗VEGF薬)への無反応例が約10%あることを第116回日本眼科学会総会にて報告した。これらの症例に対して、現状では光線力学的療法(PDT)の適応が考慮されるが、病変サイズが大きすぎると病変全体に照射できない場合がある。このような症例に対する照射方法について第63回日本臨床眼科学会にて報告を行ったが、長期的にも経過良好であったので報告する。
【対象と方法】関西医科大学附属滝井病院眼科でAMDにて治療適応と診断された症例のうち、抗VEGF療法無反応や全身血栓症のためPDTが選択され、乳頭周囲病変や大きすぎる病変のため通常のPDTが困難な症例に対して、規定の83秒の間、病変全域に一定速度で均一に照射スポットを移動させるPDT(アイロニングPDT)を行った。アイロニングPDT施行後24か月以上経過観察できた9例9眼(男性7眼、女性2眼。平均年齢74.9歳。典型AMD4眼、PCV5眼。平均病変サイズ8088μm)について後ろ向きに検討した。抗VEGF薬の併用を行ったものは除外した。なお、本研究については大学の倫理委員会の承認を受け、十分なインフォームドコンセントのうえ施行した。 【結果】PDT24か月後、9眼中7眼で滲出は停止したがPCVの1眼に硝子体出血を来たした。平均治療回数は1.6回で、小数換算平均視力はPDT前0.11、24か月後0.09と有意差なく維持されていた。log MAR視力0.3以上の変化で判定すると、不変7眼、悪化2眼であった。 【結論】照射スポットを動かすことで病変各所への照射時間は短くなるが、長期にわたり滲出抑制効果が得られた。アイロニングPDTでは、過剰照射を避けつつ病変全域にレーザー照射することができ、PDTを選択せざるをえない症例のPDTの変法として有用と思われた。 |