タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ステロイドテノン嚢下投与で沈静化したIRVAN症候群の1例 |
会議名 | フォーサム2013大阪(第47回眼炎症学会) |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎平本裕盛,星野健,山田晴彦,髙橋寛二 |
発表年月日 | 2013/07 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
概要 | (緒言)ステロイドテノン嚢下投与を行い沈静化したIRVAN( idiopathic retinitis, vasculitis,aneurysms,and neuroretinitis )症候群と思われる症例を経験したので報告する。
(症例)57歳女性。1週間前から両眼霧視を自覚。平成24年3月6日前医を受診。ぶどう膜炎の疑いで関西医科大学附属枚方病院眼科(以下当科)を紹介受診となった。初診時矯正視力は右0.05、左0.3で、両眼とも軽度の前房内炎症を認めた。右眼底黄斑部に星芒状硬生白斑を認め、視神経乳頭上に血管瘤を認めた。硝子体には炎症細胞を含む混濁を認めた。左眼眼底は黄斑部に星芒状硬生白斑を認め、視神経乳頭に硝子体の付着が見られた。フルオレセイン蛍光眼底造影で両眼の視神経乳頭上の拡張毛細血管に早期から過蛍光と、後期に蛍光漏出を認めた。右眼の乳頭上血管瘤は早期から淡い過蛍光を認めたが蛍光漏出はなかった。両眼の網膜血管壁にstainingが見られた。周辺網膜に無灌流領域や網膜新生血管はなかった。光干渉断層計で両眼とも黄斑浮腫を認めた。以上の所見からIRVAN症候群と診断し、治療として両眼にステロイドのテノン嚢下投与を行った。両眼とも黄斑浮腫は改善し、硬性白斑は消失した。発症から1年を経過して矯正視力は右1.0、左眼1.5に向上した。 (結語)本症例は初期のIRVAN症候群と考えられ、ステロイドの局所投与のみで沈静化が得られている。今後無灌流領域の発生などに留意して経過観察を要する。 |