タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 脈絡膜新生血管を生じた脈絡膜骨腫のSD-OCT所見と臨床経過
会議名 第117回日本眼科学会
発表者・共同発表者◎吉川匡宣, 髙橋寛二, 永井由巳, 有澤章子, 西川真生
発表年月日 2013/04
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】脈絡膜骨腫は脈絡膜に発生する良性腫瘍であるが、脈絡膜新生血管を生じ視力低下の原因となることがある。今回我々は脈絡膜新生血管( choroidal neovascularization: CNV)を生じた脈絡膜骨腫のSpectral domain-optical coherence tomography (SD-OCT)所見と臨床経過を検討した。
【対象と方法】対象は2006年から2012 年までに関西医大枚方病院で脈絡膜骨腫と診断された4例4眼(男性2例、女性2例)。診療録を後ろ向きに検討した。
【結果】年齢は13歳から59歳(平均35歳)、全例片眼のみに黄斑部を含む脈絡膜骨腫を認めた。平均腫瘍最大径は6690μm、平均腫瘍厚は1080μmであった。SD-OCTのenhanced depth imaging(EDI)モードで、腫瘍表層の反射は等反射が3眼、等反射から高反射が1眼、腫瘍深部の脈絡膜-強膜境界は全例で検出された。脱灰病巣は全症例で認め、腫瘍内部の反射パターンは格子状、層状またはマウンド状を呈していた。全例で中心窩近傍にCNVを合併しており、CNV近辺および脈絡膜骨腫上の網膜内に点状高反射を全例で認めた。3眼にbevacizumab硝子体内注射(平均施行回数1.6回)を行い、初診時から最終受診時(平均経過観察46か月)の視力変化は2段階以上の視力改善が1眼、悪化が3眼であった。2眼でCNV発生部位付近の色素沈着が消失していた。
【結論】脈絡膜骨腫はSD-OCTのEDIモードで特徴的な所見を呈した。CNVを伴う脈絡膜骨腫は視力予後が不良であった。