タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 滲出型加齢黄斑変性の網膜色素上皮下病変に対するアフリベルセプト単回投与の効果
会議名 厚生労働省 難治性疾患克服研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班
発表者・共同発表者◎大中誠之, 永井由巳, 有澤章子, 平本裕盛, 三木克朗, 木村元貴, 尾崎絢子, 髙橋寛二
発表年月日 2014/01
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)で以前にラニビズマブ投与(IVR)を受け、再発または耐性を認めた症例にアフリベルセプト硝子体内投与(IVA)を単回行い、1か月後の網膜色素上皮下病変に対する効果を検討した。また、初回投与後から6か月後まで必要時(PRN)投与を行い、滲出性所見と視力の変化を検討した。
【対象】症例は関西医大枚方病院でAMDと診断した74例75眼である。男性58例、女性16例で、平均年齢は73.3歳(57~88歳)であった。病型は34眼が1型脈絡膜新生血管(CNV)を伴う典型AMD、41眼がポリープ状脈絡膜血管症(PCV)であった。
【方法】初回IVA施行直前と、その1か月後の中心窩網膜厚、Ⅰ型CNV、PCVにおけるポリープ状病巣、漿液性網膜色素上皮剥離(PED)の丈を光干渉断層計(OCT)で測定し、効果を検討した。病巣の丈は、病巣部において最も厚い部位のRPEラインからブルッフ膜ライン間を測定し、同一部位でIVA前後の比較を行った。また、6か月後までの黄斑部の漿液性網膜剥離(SRD)と網膜浮腫の完全消失率(ドライ化率)と視力の変化を後ろ向きに検討した。
【結果】初回IVA施行直前の中心窩網膜厚は平均343±176μm、Ⅰ型CNVの丈の平均は90±41μm、ポリープ状病巣の丈の平均は359±135μm、漿液性PEDの丈の平均は360±154μmであった。投与1か月後の中心窩網膜厚は平均201±120μm(P<0.01)、Ⅰ型CNVの丈の平均は60±39μm(P<0.01)、ポリープ状病巣の丈の平均は239±152μm(P<0.05)、漿液性PEDの丈の平均は203±117μm(P<0.05)と有意に減少した。黄斑部のドライ化率は投与1か月後74.3%、3か月後54.0%、6か月後52.5%であった。投与6か月後の視力変化は改善3眼(7.3%)、不変37眼(90.3%)、悪化1眼(2.4%)で、平均小数視力は初回IVA前0.41、IVA6か月後0.51と有意な改善を認めた。(P<0.01)。
【結論】IVRで再発や耐性を示すAMD症例に対して、単回IVAはSRDなどの滲出抑制に加え、網膜色素上皮下病変の平坦化をきたしやすく、IVAへスイッチすることで視機能の改善効果も期待できる。