タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 加齢黄斑変性に対するaflibercept硝子体内投与の6か月成績
会議名 厚生労働省 難治性疾患克服研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班
発表者・共同発表者◎尾辻剛, 小池直子, 正健一郎, 津村晶子, 津田メイ, 髙橋寛二
発表年月日 2014/01
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対するaflibercept硝子体内投与(IVA)後6か月の治療成績を検討した。【対象と方法】対象は平成24年1月から4月までに関西医科大学附属滝井病院でAMDと診断し、IVA(2mg/0.05ml)の1か月ごと連続3回投与(導入期治療)を終え、初回投与から6か月間経過を追えた66例66眼(男性49眼、女性17眼、平均年齢77歳)である。期間中に光線力学的療法や他の抗VEGF薬を併用した症例は除外した。典型AMD(tAMD)は36眼、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)が28眼、網膜血管腫状増殖(RAP)が2眼であった。投与前に治療歴がないもの(初回群)31眼、あるもの(治療群)は35眼であった。維持期に2から3か月おきの計画的投与を行った症例(Pro群)は40眼、必要時投与で治療した症例(PRN群)は26眼であった。これらの症例の投与前後の視力変化とOCTでの中心窩網膜厚(CRT)を、後ろ向きに検討した。【結果】治療前平均視力は、0. 21(tAMD0.19、PCV0.29:初回群0.23、治療群0.20:Pro群0.20、PRN群0.24)で、治療開始後6か月の平均小数視力は0.29(tAMD0.24:PCV0.41、初回群0.36:治療群0.24、Pro群0.29:PRN群0.29) と有意に改善しており(p<0.01)、それぞれの群間での差はなかった。投与後6か月でのlogMAR視力で0.3以上の視力改善は16眼24%(tAMD25%:PCV25%、初回群29%:治療群20%、Pro群25%:PRN群23%)、不変は48眼73%(tAMD72%:PCV75%、初回群71%:治療群74%、Pro群73%:PRN群73%)、悪化は2眼3%(tAMD3%:PCV0%、初回群0%:治療群6%、Pro群3%:PRN群4%)であった。治療前の平均CRTは、429.9µm(tAMD415.0:PCV439.5、初回群435.3:治療群425.1、Pro群454.9:PRN群391.3)で、治療開始後6か月の平均CRTは267.5 µm (tAMD240.9:PCV289.6、初回群233.5:治療群295.0、Pro群243.2:PRN群299.4)と有意に減少しており(p<0.01)それぞれの群間での差はなかった。【結論】AMDに対するIVAの6か月の短期成績では、従来の治療に比べ遜色はなく、半年の時点では維持期の計画的投与と必要時投与では差はなかった。